オンラインではなし得ないもの

Aspirantでは対面にこだわって授業しています。オンラインはオンラインでもちろん、いいところがたくさんあります。自宅に居ながらにして世界中の人と繋がれますし。私自身、日本語教師のお仕事はほとんどオンラインでやっています。でもこのAspirantのお仕事は、絶対にオンラインではできないです。それにはいくつか理由があって。

そのプロセス

一つには、年齢的なものがあります。30歳前後の大人であれば、勉強の仕方は自分なりのやり方で身についている人が多いです。あるいは若くても、自分での勉強の仕方がもう確立していて、知識を得ればいいだけなら、そしてその知識をもとに自分でやっていけるだけの素地が出来上がっているのなら、オンラインでも問題ないと思います。でも、Aspirantが対象にしているのは20前後の子たちです。そして、これから勉強の仕方を構築していく子もたくさんいます。オンラインで淡々とこちらが授業を展開していくやり方は、たとえ教師側が頻繁に質問を投げかけるなどして会話のキャッチボールをしても、その授業効果は不十分なものになってしまいがちです。たとえば文章内で、どう文を追いかけているか(どう目を使っているか)、計算においては、どう手を動かし、どう式を組み立てているか。式の書き方一つ、筆算での数字の書き方一つでも、直さなくてはいけないところはたくさんあります。それをいちいちオンラインでチェックを入れていくのは、逆に効率が悪いです。そして時にまた、正解に辿り着くまでの、自分のやり方で解き進めていく中での、一瞬の逡巡。そうしたことも、教える側にとっては貴重な"材料"になります。でも、オンラインではそうしたことも漏れてしまいます。

対面だからこそ

あとは、やっぱり悩みを聞いてほしいとき、人に何かを打ち明けるとき。個人差もあるでしょうが、私はもし自分がその立場だったら、絶対対面がいいです。落ち着ける空間の中で、その人のために時間をとる。耳を傾ける。そうしたことがとても大切であるように思います。今はなんでも時間短縮、ショートカットへとシフトしてきていますが、私は少しそれに寂しさも覚えます。その場を共有してこそ初めて成り立つものが、きっとあるはずだと、信じています。